コラム

整理解雇

企業側からの質問

会社の業績が悪化してしまい,売上が低迷しているので,経費を削減するため従業員を解雇しました。ところが,この従業員が,解雇をされるのは不当だといって,解雇無効を主張して労働審判を申し立ててきました。従業員は,解雇は無効なので従業員の地位があるとして,解雇後から現在までの給料全額を請求してきましたが,到底そんな金額は払えません。

回答

会社の業績悪化により従業員を解雇することを整理解雇といいますが,従業員に非がない場合の一方的な解雇なので,判例は厳しい要件を要求しています。整理解雇を行う場合には,判例の要件を意識して手続をする必要があり,安易なリストラは危険です。ただし,要件を満たしていないようなケースでも,現状を裁判所に粘り強く説明して,退職する内容で和解できる場合があります。

ある事例では,裁判所で会社の業績について具体的に数字をあげて説明し,経営改善の様々な対応をしてきたが,それでも立て直せないのでやむなく解雇をしたので不当ではないとの主張を行いました。解雇が有効とまでは認められませんでしたが,会社の状況について一定の理解を得られ,相手の請求額を大幅に減額し,従業員は退職することで和解しました。