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住宅資金特別条項の具体的内容

原則(約定型)
住宅資金特別条項を用いる場合の住宅ローンの支払い方法については,個人再生の申し立てによる影響を生じさせずに,当初契約したとおり支払う形がもっとも利用されているようです。(「約定型」といわれます。)。
再生債務者が住宅ローンについて滞納がなく,申立後も弁済許可制度により支払いを継続している場合で,これまでどおりの支払いが可能な場合には,住宅ローンの支払い方法を変更せず,約定どおり支払う方法を選択するのがよいでしょう。

支払い方法を変更する4つの類型
一方,契約どおりの支払いがむずかしい場合には,住宅ローンの支払い方法を変更する内容で住宅資金特別条項を定める必要があります。この場合,どのような変更でもできるというわけではなく,法律上は,住宅資金特別条項には,以下に述べる類型があり,法律の定める範囲内に限り変更することができます。

以下に述べる類型は,あとに説明するタイプほど,住宅ローンの支払い方法の変更の度合いが大きくなります。したがって,段階的に,まず期限の利益回復型が利用できないかを検討し,これを利用しても住宅ローンの支払いを続けていくことが困難な場合に弁済期間延長型が利用できます。さらに,弁済期間延長型を検討し,これを利用しても支払いを続けていくことが困難な場合に元本猶予期間併用型が利用できます。

1 期限の利益回復型
住宅ローンの支払いに滞納がある場合,滞納の回数が契約に定めている回数を超えると,これ以上は分割払いを続けていくことは認められなくなり,住宅ローン債権者は全額を一括請求できるようになります。これを「期限の利益の喪失」といいます。
このような場合,期限の利益回復型の住宅資金特別条項をつけた再生計画を認可してもらい,滞納をなかったことにし,再度住宅ローンの支払いを分割で続けていくことができるのです。
具体的には,以下のようになります。
① 滞納額(再生計画の認可決定までに生じる元本,利息,遅延損害金)を一定の 期間(原則3年,最長5年。再生計画による支払期間と同一)に返済する。
② 再生計画認可決定確定後に支払うべき金額については,当初の契約どおり支払 う。

2 弁済期間延長型
住宅資金特別条項により,住宅ローンの支払い期間を延長してもらうことができます。
ただし,際限なく延長できるわけではなく,延長できる期間については,法律で決められた範囲内で延長することになります。
具体的には,以下のとおりです。
① 以下の額を支払うこと。大まかにいえば,当初の契約で定められた金額ですが,弁済の期間が延長されるので,延長される期間の利息が増えるため,総支払額は当初の予定より増額されることになります。
ア 元本及び再生計画認可決定確定後の利息
イ 再生計画認可決定確定時までの利息及び損害金
② 延長後の最終弁済期が,当初の最終弁済期から10年を超えず,かつ,最終弁済期における再生債務者の年齢が70歳を超えないこと
③ 延長後の支払い方法が,当初の契約内容に概ね沿う内容であること。例えば,弁済額や弁済期の間隔が大きく変更しないことや,元利均等,元本均等等の支払い方法が変更がないことが必要です。

3 元本猶予期間併用型
支払い期間の延長に加えて,一定の期間,住宅ローンの返済額を減額してもらうことになります。
これについても,どのような減額でも認められるわけではなく,減額の内容については,法律上決められた要件を満たす必要があります。
具体的には,「2 弁済期延長型」の①から③の要件と同様です。

4 同意型
上記の3つの型以外にも,住宅ローン債権者の同意があれば,上記3つの型でできる住宅ローンの支払い方法の変更に加えて,さらにアレンジをすることができます。

※ただし,具体的にどの類型によりどのような条項を定めるかについては,もともとの住宅ローンの契約内容,債務者の支払い能力,住宅ローン債権者の対応,再生計画により支払うべき住宅ローン以外の負債の見込額等の諸事情によって異なることになりますので,さまざまな事情を検討し,個人再生委員とも相談の上,決めていく必要があります。