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法人・事業者の方

解雇した社員から訴訟をおこされた。

(訴訟等を起こされた場合の対応)
かつては,労働事件といえば労働組合関係の事件が多かったようですが,現在では,組合の活動家ではない,普通の社員でも,納得できなければ会社を相手に訴訟する時代になっていると思います。
労働事件の場合,会社側が労働者を訴えるということは普通ありませんので,会社は被告(労働審判では相手方,仮処分では債務者)として対応することになるでしょう。この場合,特に労働審判事件では,答弁書作成に時間的余裕がほとんどありませんので注意を要します。
訴訟等を起こされたら,まず訴状や申立書の内容をよく検討し,会社が行った処分がどのような内容か,処分の対象は何か,処分は法律や社内の規定に反していないか,処分に至る経緯はどのようなものであったか等について,分析をする必要があります。労働者側が作成した書面は,会社が非難されている内容だと思われますが,冷静に対応し,感情的な反応はしないことです。会社側の主張をきちんとまとめ,これを裏付ける証拠がどの程度あるか,準備する必要があります。
また,裁判所の手続において,見通しをつけるにあたり,労働判例の知識は非常に重要です。判例はすべて事例に対する個別判断なので,判例の事案を分析し,どのような点を裁判所が着目・重要視しているかを確認します。判例は,なるべく新しい事例を参考にすべきです(あまり古い事案は,時代背景等が異なり参考にならない場合が多いです)。多くの書籍・サイトが労働者側の弁護士により,労働者向けに書かれているため,労働者側にきわめて有利に書かれているものが目立ちます。しかし,これらの情報は労働事件の実務の感覚とはかなり隔たっています。正確に情報を収集・分析し,必要に応じて専門家の意見を聞くことが重要です。

(事前に紛争を防止する手段を講じる)
訴訟等を起こされればこれにきちんと対応するほかありませんが,問題が生じるまでに,訴訟等にならないように対策をしておくことが大事です。それには,労働者が,自分が受けた処分を納得できるような仕組をつくり,運用することです。
私は,これまでに労働事件で会社と争いたいという労働者からの相談を数多く受けてきましたが,これらの労働者は,自分がなぜそのような扱いを受けるのか,理解していないケースが大半でした。会社としては,それは労働者の自己正当化だということになるのかもしれませんが,処分に至る前の段階で,会社からの問題点の指摘が不十分で,労働者が自分の悪い点に気づけていない場合が多くあるのではないかと思います。

(社内の規則を整備する)
そもそも労働者の処分を行うためには,就業規則等,規則の根拠がないとできません。規則がきちんと定まっており,それにしたがった処分がされたということが明確であれば,労働者としても会社の恣意的な処分でないということが理解でき,納得ができます。就業規則等の規定が整っているか,規定があったとしても,その内容が今の時代に対応しているか,もう一度確認をしてみてください。

(指導等の処置を証拠化する)
労働者の側に問題がある場合には,節目節目できちんと指導をし,指導の結果については書面で残しておくことが大事です。
問題が起こった後に作った後付の資料では信用性が低いですが,指導を行った時点で作られた資料は,信用性が高いものです。

(一方的な処分を避ける)
会社が処分を行う場合も,一方的な処分(例えば解雇)よりも,本人との合意の結果である(例えば退職勧奨による退職)とした方がトラブルになりにくいものです。本人が納得し合意したことが明らかであれば,後からこれを撤回するとか,真意でなかったとかといって争うことは,一般的にいって困難になります。労働者にとっては,解雇無効を争うよりも,退職届の無効・撤回を争う方が,よりむずかしいのです。