破産の手続には,同時廃止事件と管財事件があります。
1 管財事件
法律上は,管財事件が原則です。
管財事件では,裁判所から管財人が選任されます。管財人は弁護士の中から指名します。管財人は破産者の財産や債務について調査を行い,お金に換えられる財産についてはお金に換えて,集まったお金を債権者に分配します。また,破産者を免責してよいかどうかの意見を裁判所に述べます。
管財人が業務を行うための実費・報酬を確保するため,裁判所に納めるお金(予納金)が必要となります。東京地裁では,予納金は,最低20万円とされています。夫婦・親子など,関連の強い事件を一度に申し立てる場合,全体で20万円納めればよいとされています。
また,予納金の分割払いも認められていますが,最長4ヶ月とされています。
2 同時廃止事件
一方,現在所有している財産が少なく,借り入れに至る事情に特に問題がなければ,同時廃止事件となります。同時廃止事件では,管財人も選任されず,手続も比較的短期で終わります。
3 両手続のちがい
東京地裁では,原則として,申立時に有している財産が20万円未満であれば,同時廃止事件となります。
また,同時廃止事件とするには,破産に至る経緯に問題がないこと(免責不許可事由がないこと)も必要です。これについては以下で詳しく述べます。